コーヒーは、多くのひとに愛されている飲み物ですが、常に引っ付いてくる相棒のような存在があります。
味をマイルドにしたいときに愛用されている「コーヒーフレッシュ」のことです。
コーヒーショップやコンビニなどでコーヒーを買うときは、いつも無料でもらえます。
「コーヒーフレッシュ」はコーヒー好きには便利なアイテムですが、実際はどんな原料でどんな成分が入っているのでしょうか?
ミルクのように見えますが、乳製品は入っているのでしょうか?危険な成分は?
そこで今回は、気になる「コーヒーフレッシュ」の原料や成分、作り方、賞味期限、その危険性と注意点などについてまとめてみました。
コーヒーフレッシュとは

まず、「コーヒーフレッシュ」という言葉は、和製英語で欧米では使われていません。
欧米では、一般的に「coffee cream」(コーヒークリーム)、正確には「non-dairy cream」(乳製品に似せたクリーム)と呼ばれています。
このコーヒークリーム(=乳製品に似せたクリーム)は、牛乳の短い賞味期限とコスト高を解消するために1958年米国で開発されました。
日本でいう「コーヒーフレッシュ」も「牛乳を含まない、乳製品に似せたクリーム」ということになります。
この「コーヒーフレッシュ」が、日本で製品化され、その言葉が日本中に広まったのは1970年代半ばのことです。
「メロディアン」と「スジャータ」のコーヒーフレッシュが昔から有名ですね。
これらの製品が出る前は、日本でもコーヒーには通常、牛乳か生クリームが使われていました。
現在、このコーヒーフレッシュは、喫茶店、コーヒーショップ、コンビニ、ファミレス、ファーストフード店などのいたるところで見かけます。
そして、「何個でも使っていいですよ」といわんばかりに、ドリンクバーのコーナーなどで無造作にたくさん置かれていますよね。
それは、なぜでしょうか・・・?
答えは・・・
製造コストの安さと保存性の高さです。
コーヒーフレッシュの原料と成分は?

まず、上のコーヒーフレッシュのパッケージの表から原材料や成分を見てみましょう・・・
原材料名(製品に多く含まれる原材料順に記載されています)
- 植物性油脂
- 砂糖
- ガゼインNa
- 乳化剤
- pH調製剤
- 香料
- 安定剤(カラギナン)
上記の原材料名の中で作用が分からないものがあると思いますので、一部説明を付けました。
ガゼインNa:安定剤、乳化剤として使用され、水と油を均一に混ぜ合わせる作用があります。
乳化剤:水と油のように通常では混ざりにくい2つの性質をもった物質の表面の性質を変えて均一に混ざりやすくする食品添加物(=界面活性剤)。
pH調製剤:食品の酸性度、アルカリ度を調整するために使用され、日持ちをよくする食品添加物。
安定剤(カラギナン):食べ物にとろみをつけ、液体の分離を防止する食品添加物で増粘安定剤とも呼ばれる。
上記の原材料からコーヒーフレッシュを簡単に表現すると・・・
「植物油」に「砂糖」を加え、「乳化剤」で混ぜくり、白く濁らせて、「増粘安定剤」でとろみ、「香料」でミルク風の香りをつけ乳製品風に仕立てた合成クリームだということになります。
これは、添加物のカタマリのような合成クリームなので、人体に安全な量といわれても、特にお子さんや妊婦の方にはおすすめできませんね・・・
コーヒーに乳化された油水を加えるようなものです。
*コーヒーフレッシュにも色々な製品が出回っていますので、中には乳製品を多く含むものもあるかも知れません。
もし?製品を購入される場合は、製品パッケージの裏面にある原材料名をご自分で確認されることをおすすめします!
賞味期限は?
コーヒーフレッシュは、ほとんどが植物性油脂なので、腐りにくく保存性が高い性質があります。
製品によって違いがありますが、一般的な賞味期限で約2~4ヶ月のものが多いようです。
これは、賞味期限の非常に短い生乳に比べれば、廃棄せずに効率的に使えますし、多くの店舗でコーヒーフレッシュが使われている理由のひとつです。
ただし、植物油なので常温で保存する必要があり、冷凍庫(0℃以下)に入れると分離してしまう性質があります。
また、賞味期限を過ぎていたり、冷蔵庫で保存すると油が固まってしまうことが多いようです。
乳脂肪を多く含むコーヒーフレッシュの場合は冷蔵庫で保存する必要がありますので要注意です!
しかしながら、風味や栄養価の面で考えてもコーヒーには添加物のカタマリよりも生乳を使うことをおすすめします。
トランス脂肪酸は危険?
トランス脂肪酸とは、植物油のような不飽和脂肪酸(常温で液体状)に水素を添加して、飽和脂肪酸(常温でも固体)を作る過程で生成するものです。
トランス脂肪酸を多く含む食品の代表格にはマーガリンがあり、コーヒーフレッシュを作る過程でもトランス脂肪酸は生成されます。
このトランス脂肪酸を規定の量よりも摂取するとLDL(悪玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化や心臓疾患のリスクを高めるといわれています。
2003年、WHO(世界保健機関)はトランス脂肪酸の一日の摂取量を摂取エネルギーの1%(約2g未満)にするように勧告しています。
米国では2006年からトランス脂肪酸の成分表示を義務化し、2015年6月にFDA(米国食品医薬品局)は、2018年6月からトランス脂肪酸の食品添加を原則禁じる方針を決定しました。
しかし、現在日本ではトランス脂肪酸の成分表示ですら義務付けられていません・・・
複合された添加物
コーヒーフレッシュには、上記でも説明したようにさまざまな添加物が含まれていて健康への悪影響も懸念されてます。
例えば、ある動物実験で、ガゼインNaを体重1kg当たりに5日連続で0.4~0.5gを経口投与すると、約半数が中毒死を起こしたと報告されています。
また、乳化剤で使われるショ糖脂肪酸エステルには発がん性があり、肝臓にも悪い影響があることが指摘されています。
さまざまな汚染が重なり合って人体に害を及ぼす、複合汚染という言葉がありますが、食品添加物でも同じことが言えるのではないでしょうか?
ひとつひとつの食品は安全基準内であっても、ファミレスやコンビニで食品を得るのが日常の私たちは、数え切れないほどの種類の食品添加物に囲まれて生活しています。
コヒーフレッシュに限らず、パッケージ化、インスタント化された食品を買うときは必ず食品添加物の表示に気をつけたいものです。
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