てんかん発作の症状と運転免許について!傷害保険はどうなるの?

てんかんと運転免許

最近、運転手のてんかん発作による歩行者死亡事故がしばしば起こっています。

2015年10月にも宮崎市で、てんかん患者の運転する車が、歩行者2人を死亡させ、4人に重軽傷を負わせる悲惨な事故が起こっています。

運転手のてんかん発作によって起きた事故は、多くの場合、子どもを含め、一般の歩行者が犠牲者となっています。

てんかん患者の免許取得や運転に関しての法律、傷害保険制度などは、現在どうなっているのでしょうか?

そこで今回は、てんかんの原因と症状、患者さんの運転免許取得や運転についてお話ししたいと思います。

 

てんかんとは?

てんかんとは、突然意識を失って、発作をくりかえし起こす脳の病気のことです。

昔はこどもの病気とされていましたが、日本では現在、60~100万人もの患者がいると言われ、老若男女に関係なく発病する可能性がある病気です。

 

WHOによる、てんかんの定義は「種々の病因によってもたらされる慢性の脳疾患であり、大脳ニューロンの過剰な放電から由来する反復性の発作を主徴とし、それに変異に富んだ臨床ならびに検査所見の表出が伴う」とされています。

 

上記の定義は、少し難しい表現になっていますが、もう少し簡単に説明すると、「てんかんは、脳の神経の一部が一次的に異常な電気活動を起こすことによって起こる慢性の発作」だと言えます。

 

てんかん発作は、電気活動の異常が起こる脳の部位によって、様々な症状が起こりますが、発作が治まれば、通常の状態に回復するのが特徴です。

 

また、発作の症状は、患者さんごとに一定して同じ発作が反復して起こるのが特徴です。

 

てんかんには、脳の外傷や腫瘍など原因が明らかな場合と原因が不明な場合がありますが、前者は、症候性てんかん、後者は、特発性てんかんと呼ばれています。

 

多くの患者さんには、治療に抗てんかん薬が用いられ、継続して薬を服用すれは発作を抑えて通常の生活ができると言われています。

 

てんかんと自動車運転免許

自動車免許

 

てんかんは、その一次的で突発的な慢性の発作が特徴ですが、てんかん患者さんの運転免許取得や運転そのものについての法律はどうなっているのでしょうか?

 

てんかんの治療中に車の運転は、してはいけないのでしょうか?

 

実際に、道路交通法第90条を見ると、てんかんは、免許の拒否理由の一つとして挙げられています。

 

ただし、一定の病気に係る免許の可否等の運用基準を見ると、以下の場合はてんかん患者さんでも自動車運転ができます。

 

  1. 発作が過去5年以内に起こったことがなく、医師が「今後、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合
  2. 発作が過去2年以内に起こったことがなく、医師が「今後、X年程度であれば、発作が起こるおそれがない」旨の診断を行った場合
  3. 医師が、1年間の経過観察の後「発作が意識障害及び運動障害を伴わない単純部分発作に限られ、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合
  4. 医師が、2年間の経過観察の後「発作が睡眠中に限って起こり、今後、症状の悪化のおそれがない」旨の診断を行った場合

 

上記の基準を見ると、すべて医師の診断が基準になっています。

 

てんかん患者と、ひとくくりにしても、患者さんによって様々な症状、発作のパターンがあると思いますので、この場合、医師の診断が本当に重要になってきますね。

 

また、運転を許可された患者さんが交通事故を起こす可能性もあるので、医師の診断の責任は大きいと思います。

 

てんかん発作による人身事故と保険制度

次に、てんかんの患者さんが運転して事故を起こした場合、保険はどうなるのでしょうか?

 

この場合、てんかん発作で意識喪失して、責任能力がない=保険は使えないと言う論理もあるので要注意ですね。

 

民法第713条に、「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない」とありますが、自賠責保険に関しては、この713条を否認して保険適用されるそうです。

 

そして、任意保険の場合も、特定の病名により保険金支払いを拒否することはないとされています。

つまり、罪もない被害者の方への賠償責任に対しては、基本的に保険がきちんと適用されるようです。

 

ただし、運転手が、病状が基準に適合しないことを知っていながら取得時に申告していないとか、免許取得後に基準に適合しなくなったのに申告していなかった場合には、民事責任や刑事責任がかかります。

 

もちろん、てんかん患者が薬を服用していない場合の事故も、正常な運転ができない状態で起こした事故になるので、自動車運転死傷行為処罰法で厳しく罰せられます。

 

やはり、自動車は動く凶器にもなるので、本来運転手としてやるべき責任を怠って起こした事故に対しては、誰もが厳しく責任追及されるべきだと思います。

 

何の罪もない歩行者が、交通事故の犠牲になるようなことは二度と起きて欲しくはありません。

被害者の冥福をお祈りいたします。

 

まとめ

てんかん患者さんでも、一定の条件に合えば自動車運転免許は取得できますし、保険も通常通り加入できます。

しかし、虚偽の申請をした場合や免許取得後に条件が適合しなくなった場合の申請がなければ、民事・刑事責任を問われます。

薬を適切に服用しなくて起こした事故も自動車運転死傷行為処罰法が適用されます。

 

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