抗生物質に耐性がある淋病が急増中!福岡では感染者が3年で10倍に!

淋病の耐性菌

淋病は、淋菌が原因の性感染症(STD)ですが、通常は、アジスロマイシンなどの抗菌薬(抗生物質)を使って治療されます。しかし、淋菌は抗菌薬への耐性ができやく感染率も高いので大変注意が必要な性感染症です。

そこで、耐性菌の増加率を調べるために福岡で2010年から2013年の間、合計677株の臨床分離された淋菌に対して、抗菌薬への感受性試験が行われました。そしてその結果、アジスロマイシンに耐性を持つ淋菌が、3年間の間に10倍以上も急増していたことが分かりました・・・

そこで今回は、淋病(淋菌)について、症状や感染経路、予防法、耐性菌などについて説明していきたいと思います。

 

淋病とは

淋病

 

淋病は、淋菌への感染によって起こる、男性に多い性感染症(STD)です。

1回の性行為で約30%の強い感染率をもち、淋菌感染者の20%~30%は、クラミジアにも同時感染していると言われています。

 

「淋病」という病名の由来

淋病という名前の由来は、「淋」という字には、「さびしい」以外に、「したたる」と言う意、つまり、水滴が「ポタリ、ポタリ」としたたり落ちるようなイメージです。

 

淋菌に感染すると、尿道炎で尿道が狭くなり、激しい痛みが出るため、尿の勢いが低下するので、その時の、「ポタリ、ポタリ」とおしっこが、したたり落ちるイメージから「淋病」という病名がつけられたそうです。

 

淋病の感染経路

主に性行為、オーラルセックス、キスにより感染し、出産時には母子感染も起こします。また、タオルや衣類からの感染も報告されています。

 

また、最近のオーラルセックス人口の増加に伴って、咽頭からの感染が問題となっています。そのため、淋菌感染者の30%は咽頭に感染を起こしていると言われています。

 

女性の感染源としては、風俗女性が60%を占めています。福岡は中洲などの風俗街でも有名なので、今回の耐性菌増加の報告には、このことも影響しているのでしょうか?

 

淋菌感染者が急増しているのは、先進国の中では日本だけともと言われています。

 

淋病の初期症状

発症は感染後数時間から数日で、男性の場合、症状の特徴は、尿道感染によるうみと激痛、女性の場合は、無症状なことも多くあります。

 

しかし、女性が感染に気づかず、治療せずに放っておくと、不妊症や子宮外妊娠などの原因にもなります。

 

主な症状は以下の様なものがあり、男女によって変わります。

  • 咽頭炎(男女)
  • 淋菌性尿道炎(男性)
  • 子宮頚管炎(女性)

 

主な感染部位は以下の通りです。

  • 咽頭
  • 性器の粘膜
  • 尿道
  • 子宮頸部
  • 直腸の内膜
  • 眼の結膜

 

男性の場合は、排尿時や勃起時などの激しい痛みの症状が特徴です。
女性の場合は、自覚症状がないことも多く、症状があっても特徴的でなく、通常の膣炎と診断されることもあります。

 

しかし、無治療のまま放置すると菌が、卵巣 や卵管まで侵入し、不妊症や子宮外妊娠を起こす場合があります。

 

また、咽頭への感染は自覚症状が無いことが多く、新たな感染を引きここしてしまう原因にもなります。ヒトは、淋菌の感染に対して免疫をつくることができないので、何度も再感染する可能性があります。

出産時には、母子感染することがあり、その結果、両目に感染して、新生児が失明する恐れもあります。

 

淋病の診断法

男性の感染者の場合、陰茎の分泌物のサンプルを検査をすると、90%以上の確率で診断できますが、女性の場合は、60%程度の確率でしか淋菌を確認できません。

 

のどや直腸への感染にも、同様にその部位から採取したサンプルを検査します。

 

淋病の予防法

予防のためには、性交渉時は、最初から最後までコンドームを使用する必要があります。

しかし、コンドームで淋病の感染を完全に防げるというわけではありません。

 

不特定多数との性行為も感染リスクを高めます。また、口から口への感染経路に関しては予防方法がありません。

何か心当たりがあれば、直ちに検査を受け、もし淋菌感染者であることがわかった場合には、パートナーにも検査を受けてもらうことをおすすめします。

 

淋病の治療法と恐ろしい耐性菌

淋菌

 

従来の淋病は、注射や内服薬などの抗菌薬(抗生物質)を7~10日間ほど使用すると完治する病気でした。

しかし、最近では抗菌薬の効かない耐性菌が増えているため、内服薬が効果がないことも多く、その場合は点滴による治療が必要です。

 

以下が淋病の主な治療法です。

  • ペニシリン系抗生剤 :約7~10日間
  • アジスロマイシン :単回投与(内服)
  • セフトリアキソン(セフェム系)(注射)
  • スペクチノマイシン系(点滴)

抗菌薬の治療は、症状が無くなっても抗菌薬は副作用が出ない限り、医師に処方された期間を守ることが大切です。

 

自己判断で服薬を中止すると再び淋菌が増え始め完治しない場合もあり、尿検査で淋菌の消失を確認できたときに完治とされます。

 

また、途中での抗菌薬(抗生物質)の服用を止めると、体内の淋菌が耐性菌に変化してしまう可能性もあります。

 

最近では、ペニシリン系や点滴の抗菌薬にも耐性のあるスーパー淋病も確認され、WHO(世界保健機構)は、注意を促しています。実際、日本の風俗店の女性からもセフトリアキソンに耐性がある淋菌が発見されました。

 

セフトリアキソンは、淋菌の治療において世界的に見ても第一に選択される抗菌薬です。他に治療効果が期待できる抗菌薬は、スペクチノマイシン、アジスロマイシンに限られています。

 

このように、第一選択薬にも耐性のあるスーパー淋病は、その高い感染率を考えると、HIVよりも恐ろしいと言われているのが分かりますね。

 

やはり、どんな病気の治療法があっても予防に勝るものは無いということでしょうね。

 

抗生物質や耐性菌に関しての情報は、この記事もご参考下さい!

➡抗生物質は風邪に効果なし!むやみな処方は耐性菌増加の危険性!

 

まとめ

最近、日本では淋菌感染症が急速に増加傾向にあり、その要因としてオーラルセックスの増加、耐性菌の増加などが挙げられます。

淋菌感染症の蔓延を防ぐためには、コンドームの正しい使用が重要ですが、それでも完璧に防ぐことはできません。特に、口から口への感染に関しては予防法がありません。

性感染症に感染している疑いがあれば、必ず検査を受けるようおすすめします。

 

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