2016年4月26日未明に、松浦亜弥さんのものまねで有名な前田健さんが急死、その原因は虚血性心疾患(心不全)だと報道され、フジテレビ系「とくダネ!」の人気リポーターだった武藤まき子さん(享年71)同年12月5日に虚血性心疾患でお亡くなりになりました。
前田さんの場合、44歳という若さで他界したことに多くの人がショックを受けたと思います。
なぜ虚血性心不全はこのような働き盛りの年代にも起きてしまうのでしょうか?
今回は、虚血性心疾患の原因と症状、その前兆と注意したいことや予防法などについて分かりやすくまとめてみました。
目次
虚血性心疾患(心不全)とは

虚血性心疾患(心不全)とは、冠動脈(心筋に血液を運ぶ血管)の流れが阻害され、心臓の機能に障害が起こる病気の総称です。
診断名として「虚血性心不全」という病名が使われることがありますが、「虚血性心疾患」と同じ病気を意味します。
虚血とは、ある原因による血液の供給が急激に不足する状態、つまり、高度な心筋の貧血を意味します。
冠動脈とは、心臓を取り巻いている血管で心臓の筋肉(心筋)に血液を運んでいます。
この心臓の虚血症状は、冠動脈が何らかの原因で閉塞(へいそく=出入り口が塞がる)、または狭窄(きょうさく=狭くすぼまる)が起こることによって発症します。
虚血性心疾患を3つのステップに分けると、次のようになります。
- 心筋に血液を送る冠動脈が塞がる・狭くなる
- 心筋が局所的に貧血状態になる
- 心臓の機能が低下する(心不全)
虚血性心疾患という病名は総称ですが、具体的な心臓の病気として「狭心症」や「心筋梗塞」が含まれます。
また、脳の血管の問題やストレスが引き金になる「たこつぼ心筋症」もこの病気の部類に含まれます。
*狭心症(きょうしんしょう):胸の痛みや圧迫感などの発作的症状
*心筋梗塞(しんきんこうそく):心筋の細胞が虚血状態になり壊死(えし=細胞が死んでしまう)
*たこつぼ心筋症:狭心症に似た胸の痛みや頭痛、不整脈などの発作的症状
虚血性心疾患の症状
虚血性心疾患の初期は無症状なこともありますが、主に以下のような症状が見られます。
- 運動後の胸の締めつけ感や息切れ(前兆、初期症状)
- 発作的な胸やみぞおちの痛み、圧迫感
- 右肩や左上腕の痛み
- 動悸や息切れ
- 悪心や嘔吐
- あごの痛みや歯の痛み
- お腹の痛み(高齢者)
- 不整脈(心臓のリズムの乱れ)
以上のような症状と「狭心症」の発作的症状を何度も繰り返し、発作の間隔が短くなっていくと「心筋梗塞」に発展することがあります。
狭心症の発作は、一般的に短くて1~2分、長い場合でも20分程度で治まります。
しかし、「心筋梗塞」を発症している場合の発作は、「狭心症」の発作より症状が激しくなり、持続時間も長くなります。
そして、次第に心機能が弱くなり、心臓を制御している自律神経のバランスも崩れて、発作時の全身の発汗や熱感の症状が強くなっていきます。
虚血性心疾患と突然死
突然死とは事故が原因の場合を除いた即死と急性病の発症後24時間以内に死亡(自然死)することです。
突然死の一番の原因が急性の心臓病で、その多くのケースは虚血性心疾患によるものだといわれています。
このように虚血性心疾患が進行してくると突然死を起こすことがあり、多くの場合は発作が起きてから1分以内で急死してしまいます。
仕事中や動作中、安静中にかかわらず突然倒れて気を失い、声をかけても反応しなくなり、心肺停止の状態になります。短時間の内に心肺停止状態が起こってしまうと、直ちに救急搬送された場合でも蘇生させることは困難だといわれています。
虚血性心疾患の原因
虚血性心疾患の原因となるものは、
- 高血圧
- 高血糖(糖尿病)
- 高脂血症
だといわれ、これらは「3大リスク」、または「死の三重奏」とも呼ばれ、心臓や脳の病気を起こす動脈硬化の原因にもなります。
これらの危険因子に対して、喫煙や偏食、運動不足などの生活習慣や肥満、加齢、精神的なストレス等が加わると虚血性心疾患を発症のリスクがさらに高くなります。
具体的なリスクは次のような状態です。
- 年齢:男性45歳以上、女性55歳以上
- 遺伝:虚血性心疾患の家族病歴
- 肥満:BMIが25以上で、ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上
- 血圧:上(収縮期血圧)が140以上、または下(拡張期血圧)が90以上
- 高脂血症:高LDL・低HDL・高中性脂肪と診断
- 血糖値:境界型または糖尿病と診断
- 食生活:動物性の脂肪を多く摂取、野菜不足
*虚血性心疾患の原因に関しての詳細は、次の記事をご参考ください!
記事:ビール腹は危険!死亡リスクが2倍に!原因と3つの解消法とは?
記事:コレステロールは体に悪くない?LH比と酸化LDLが悪玉のボス!
虚血性心疾患の検査と治療
虚血性心疾患が疑われる場合は、心電図の検査が行なわれます。
また、心臓の機能をチェックするために、
- 負荷心電図
- 24時間心電図
- 心臓超音波検査
- 冠動脈造影検査
などのさまざまな検査が虚血性心疾患の診断のために行なわれます。
虚血性心疾患の予防的な治療は投薬を中心に行われ、βブロッカーなどの血圧降下剤やスタチンなどのコレステロールを低下させる薬が処方されます。
また、発作予防のためにアスピリンが処方されることもあります。
狭心症の発作が起こるときには亜硝酸薬(ニトログリセリン・硝酸イソソルビド)が処方されます。
実際に血管がせまくなっている場合は、動脈を広げる「カテーテル治療」や「冠動脈バイパス手術」が行なわれることがあります。
心筋梗塞などが原因の不整脈(頻脈性不整脈)が見られる場合は、足の付け根などから血管にカテーテルを入れて、心臓内部で不整脈の原因となっている部分を高周波電流で切除するアブレーション治療という方法があります。
虚血性心疾患の予防法
虚血性心疾患の一番の予防法は、上記で説明した、高血圧・高血糖・高脂血症の3大リスクを軽減することです。
そのためには日常の生活習慣を改善しながら体調管理をすることが予防の大前提になります。
生活習慣の改善
予防でメインになるものは食生活の改善と無理のない運動です。
動物性の脂肪をたくさん摂取することを避け、暴飲暴食せずに何ごとも腹八分が理想的です。
青魚の油は、心臓のコンディションにとって良いといわれています。
喫煙習慣も心臓病や糖尿病などの生活習慣病のリスク要因なので控えることをおすすめします。
一日30分程度の朝のウォーキングは、軽い運動になり、朝日を浴びてセロトニンを増やす効果もあるので、精神的なストレス軽減にも役に立ちますので大変おすすめです。
生活習慣病の予防は一日にして成らずですね!
ハートケアにおすすめ!オメガ3プラスとは?
Patch MD社のオメガ3プラスは、オメガ3脂肪酸を配合した、飲まずに肌に貼るタイプのパッチ型サプリメントで、生理機能のサポートや視力や関節の健康や免疫系のケアが期待できるといわれています。
パッチ型は、飲むタイプと比べ、食前や食後などのタイミングを気にする必要もなく、健康をサポートする成分のより良い吸収が期待できます。
オメガ3脂肪酸は、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、α-リノレン酸などの不飽和脂肪酸の総称で、血液をサラサラにする作用があるといわれ、悪玉コレステロールや中性脂肪に働きかけ、健康習慣のサポートができます。
オメガ3プラスには、オメガ3脂肪酸の他に、南極海で採れたオキアミから抽出したクリルオイルや抗酸化や免疫作用にも良いといわれるコエンザイムQ10、神経伝達物質アセチルコリンの合成に必要とされるホスファチジルコリンなども配合されています。
オメガ3プラスは、従来の飲むタイプのようにお腹の調子に左右されない、新しいタイプのパッチ型サプリメントです。
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体調管理
30歳を過ぎると、血圧測定をしてモニターをとることをおすすめします。
血圧測定は、あらゆる検査の中で一番簡単にできて、体調の異常をいち早くキャッチすることができます。
また、発症のリスクが高くなる40歳を過ぎたら定期健診や人間ドックを受診して危険因子を早期に発見することが大切です。