日本では乳がんでの死亡率が年々増加傾向にあり、国の指針で、40歳を迎えたら、2年に一度、乳がん検診を受けることが勧められています。
乳がんの治療には早期発見がカギだとされ、乳がん検診には、マンモグラフィーが欠かせないものとなっています。
しかし、近年、米国をはじめとする、欧米諸国でマンモグラフィーの効果が疑問視されています。
そこで今回は、マンモグラフィーの疑問視される効果、リスクと危険性についてお話しします。
マンモグラフィー検査とは

乳がんの早期発見のために、女性の乳房をX線撮影する装置のことで、Mammo(乳房)とGraphy(画像)を合わせた造語です。
次に、マンモグラフィーの撮影手順を説明します。
- 片方ずつ乳房を引っ張り圧迫板で挟む
- 左右それぞれ斜めと横のアングルで、2枚ずつ撮影
- 1枚の撮影のために乳房を10秒程度圧迫して、計4枚撮影
マンモグラフィー検診では、乳房を機械で挟んで平らにしてレントゲンを撮られるので、撮影される時には、もっぱら乳房が痛いという評判があります。
あるアンケートによると、「思わず叫ぶほど痛かった」と答えた女性が2割近くもいたそうです。
マンモグラフィーの効果
毎年10月1日は、ピンクリボンデーと呼ばれる乳がんの啓発の日で、乳がんに関する様々なイベントが開催されています。
このように、日本ではマンモグラ―フィーを含む、乳がん検診が様々な形で推進されていますが、皮肉なことに、日本での乳がんの死亡率は増加傾向にあります。
果たして、マンモグラフィーは、乳がん早期発見の役をしっかりとこなせているのでしょうか?
例えば、スイスでは、スイス医療委員会によって「マンモグラフィー健診は乳がんによる全死亡率を低下させない」と結論づけられ、廃止勧告がされています。
これは、世界トップクラスの医学誌「The New England Journal of Medicine」で報告されたものです。
また、カナダでも25年間の追跡調査が行われ、マンモグラフィーによって過剰な診断が行われ、過剰な治療の原因となっているとして問題視されています。
アメリカでも、以前は、40歳を過ぎた女性全員にマンモグラフィー検診が、推薦されていましたが、現在では、45歳を過ぎてから54歳までにと検診の頻度が下げられました。
このように、日本の流れとは対照的に、欧米諸国ではマンモグラフィー検診の効果に対して疑問符がつけられ始めているのです。
マンモグラフィーのリスクと危険性
最近、アメリカでは、マンモグラフィー検診自体が、乳がんを発症するリスクや危険性があることが示唆されています。
特に、若い世代の女性が、マンモグラフィー検診を定期的に受けると、乳房組織が放射線に直接にさらされるために、将来的に乳がんに罹るリスクを増加させてしまうと言われています。
これは、放射線が遺伝子の突然変異を起こしてしまうからです。30代や40代で、定期的にマンモグラフィー検診を受けている人は、50代や60代になったときに乳がんにかかる可能性が高くなるのです。
そのため、家族歴に乳がんがある30歳以下の女性は、乳がん検診にはマンモグラフィー以外の放射線を使用しない方法、例えばMRIなどを選択すべきだとも言われています。
このように、マンモグラフィー検診は、乳房を放射線にさらしてしまうので、早期発見の効果への疑問を合わせると、その有効性は限定的だと言えます。
乳がんには早期発見が大切ですが、その原因にはアルコールや生活習慣に深く関連していますので、免疫力をつけて予防することが重要です。


*乳がんに関しては次の記事もご参考ください!
➡【進行性(炎症性)乳がん】初期症状と検査!治療の生存率とは?小林麻央さんのステージは?
➡牛白血病ウイルスと乳がんは強く関連!牛乳は危険?予防法は?
まとめ
日本では定期的な乳がん検診が推進されており、マンモグラフィー検診は必須と言われていますが、欧米諸国ではその有効性が疑問視されています。
マンモグラフィーは、放射線を使うので、それ自体が乳がんの原因となる可能性があります。
乳がんの早期発見は治療のために大切ですが、乳がんに罹らないように予防することも大切ですね。