【マジックマッシュルーム】うつ病に効果!シロシビンで脳をリセット治療

マジックマッシュルーム・イメージ

日本では麻薬指定されている「マジックマッシュルーム」ですが、近い日にうつ病の第一選択薬となり、医療現場で活躍する日が来るかも知れません。

ネイチャー誌掲載の「Scientific Reports」(2017年10月13日)によれば…

インペリアル大学ロンドン校での研究で、マジックマッシュルームに含まれる幻覚性成分である「シロシビン」が脳内をリセットしてうつ病の症状緩和に効果があることが観察されました。

そこで今回はマジックマッシュルームの医療分野での研究について分かりやすくまとめてみました。

 

マジックマッシュルーム(シロシビン)のうつ病改善効果とは

 

マジックマッシュルームとは、幻覚性のあるトリプタミン系のアルカロイドであるシロシビンシロシンサイロシビンサイロシンとも)という麻薬成分を含んだキノコの俗称です。

この幻覚キノコの歴史は古く、古代メキシコでは宗教的儀式で食され神聖に扱われていたそうです。

現在、米国(州により異なる)や日本(2002年6/6~)でこの種のキノコを所持することは違法となっています。

一方、イギリスでは2015年から治療抵抗性うつ病(抗うつ剤の効かないうつ病)に対する研究が開始され、多くの有益な成果が報告されています。

この度、イギリスのインペリアル大学ロンドン校で行われた研究では、通常の投薬治療で効果が見られない重度のうつ病患者にマジックマッシュルームの麻薬成分・シロシビンを投与して脳の活動が観察されました。

患者の脳のモニターには機能的磁気共鳴画像法(fMRI)が使用され、投薬前後の脳内にある扁桃体(へんとうたい)と呼ばれる部位周辺の血流変化が調べられたのです。

 

Psilocybin with psychological support is showing promise as a treatment model in psychiatry but its therapeutic mechanisms are poorly understood. Here, cerebral blood flow (CBF) and blood oxygen-level dependent (BOLD) resting-state functional connectivity (RSFC) were measured with functional magnetic resonance imaging (fMRI) before and after treatment with psilocybin (serotonin agonist) for treatment-resistant depression (TRD). Quality pre and post treatment fMRI data were collected from 16 of 19 patients. Decreased depressive symptoms were observed in all 19 patients at 1-week post-treatment and 47% met criteria for response at 5 weeks.

シロシビンを使った心理的サポートは精神科の治療モデルとして有望視されているが、その治療機序に関してはあまり解明されていない。

そこで、治療抵抗性うつ病の患者(TRD)をシロシビン(セロトニン作動薬)を使った治療の前後に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳内の血流(CBF)と血中酸素濃度(BOLD)の安静時の機能的な関連性(RSFC)が測定された。

治療前後のfMRIによる質的なデータが19人の患者のうち16人から収集された。その結果、治療後1週間で19人すべての患者にうつ症状の改善、5週間後には47%の患者が症状の寛解基準に達していることが観察された。

脳の偏桃体での血流変化の図

引用元:nature.com:https://www.nature.com/articles/s41598-017-13282-7

(翻訳:ここからPRESS)

 

扁桃体の血流変化(CBF)とうつ病の関係とは

偏桃体の図

〈上図の赤い部分が偏桃体〉

 

この研究の焦点となったのは扁桃体(英語名:amygdalaと呼ばれる神経細胞の集合体で、その場所は脳の側頭葉の奥にあり左右2つ存在します。

扁桃とはアーモンドの日本名で、その名前は形がアーモンドに似ていることに由来しています。

扁桃体は情動反応の発動装置とも呼ばれ、好き嫌いや快不快の感情を記憶の司令塔である海馬に伝えます。

脳の中の部位で外部からのストレスに一番に反応するのも扁桃体です。

うつ病の症状である強い不安感や焦燥感を抱いた時にもこの扁桃体は興奮します。

インペリアル大学では、情動反応する扁桃体周辺の血流変化(CBF)をモニターして、シロシビンが治療抵抗性のうつ病患者の脳にどんな影響を与えるかを研究したのです。

 

マジックマッシュルーム(シロシビン)がうつ症状を軽減

 

患者にシロシビンを投与する前と後にfMRIを使って脳スキャンした結果、シロシビンを投与した後には扁桃体周辺に血流低下が起こることが判明しました。

つまり、シロシビンが扁桃体の活動を低下させ、重度のうつ症状を軽減させることが明らかになったのです。

この研究の責任者であるロビン・カーハート・ハリス博士は、「これらの脳の画像データを収集することで、慢性うつ病患者の脳におけるサイロシビン治療の*遅発効果を明らかにすることが出来た。」と語っています。*投薬後に遅れて現れる効果

研究の結果から、ハリス博士はシロシビンなどの幻覚剤を使い、うつ病患者の脳活動を「リセット」する治療を提案しました。

この「リセット」治療のメカニズムは、調子の悪くなったコンピューターを「再起動」することに例えられます。

ただし、この研究にはプラシーボ群(偽薬を使った比較研究)がなく、今後のフォローアップによる更なる研究成果が期待されてます。

 

マジックマッシュルームの自己治療へ注意を呼びかけ

 

マジックマッシュルームのなどの幻覚剤を使ったうつ病への本格的な臨床研究は始まったばかりで、現時点では適切な投薬量や安全性などが確立されていません。

日本では、シロシビン(シロシン)を含むマジックマッシュルームは麻薬原料植物として規制されています。

研究者たちも、「一般の人がマジックマッシュルームを入手して自己治療を行わないように!」と注意を呼びかけています。

今回の研究により、マジックマッシュルームの医療への活用が期待されていますが、その一方で違法な使用による事故も数多く報告されています。

この毒にも薬にもなる「シロシビン」という成分の動向には今後も注目していきたいですね。

 

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