「肩こり」は現代の日本人にとって国民的な症状だといわれています。
最近では肩こりに悩まされている小学生も多いと聞きます。
また、何かとストレスの多い日本では老若男女問わず肩こり人口が増加傾向にありますが、この症状は病院に行くまでもなく出来れば自分で解消したいものですよね。
そこで今回は、肩こりの3つのおもな原因とストレッチ解消法、また頭痛や吐き気を伴う肩こりの注意点についてまとめてみました。
日ごろから肩こりに悩まされている方は是非ご参考ください!
目次
肩こりとは?

肩こりとは、頚部(首のあたり)から肩甲部にかけての筋肉のこわばりや疲労と緊張が混ざった不快感のことをいいます。
最近はITの発達とともに職場でも家庭でも一人に一台のパソコンが普及して、ほどんどの分野の仕事でパソコンが大いに活用されていますよね。
また、それに伴って多くの職場ではVDT(visual display terminal=パソコンの画面表示の端末)の作業が劇的に増え、一日中座って画面を見ながら仕事をする人が多くなりました。
そのため、眼精疲労や精神的ストレス、筋力の低下を招き、「肩こり」で悩む人の人口を増加させています。
これはITが急速に普及した現代に起こっている世界的な現象なのでしょうか?
日本人と肩こり
しかし、日本人にとっては当たり前のような、「肩こり」という言葉を英語辞典で調べてみると・・・意外にもピッタリ当てはまる言葉が見当たりません。
一応、「stiff shoulder」がそれに近いかもしれませんが、実際、英語圏では日本人が使う「肩こり」と比べるともっとケガや病気的な症状を意味する言葉として使われています。
果たして、「肩こり」は日本人特有の症状なのでしょうか?
次に、日本人の国民的症状である肩こりを起こす主な3つの原因について説明しますね。
筋肉の発達不良による原因
肩や首の回りの筋肉(僧帽筋・斜角筋など)は重い頭を支えて動かす大切な役割を持っています。つまり、この筋肉が弱っているとその負担が大きくなり、肩こりが生じやすくなります。
特に首が細く、なで肩の女性の人(日本人女性に多い)は体型的にこの部分の筋肉が発達しにくく筋力も弱くなりがちで、血行も悪くなりやすいので、肩こりになり易い傾向があります。
また、このような体型の人で貧血や低血圧の症状を持っている人は、さらに血行も悪く肩の部分に酸素不足を引き起こし易いので肩こりが生じやすくなります。
頚部椎間板症による原因

頚部椎間板症(けいぶついかんばんしょう)とは、頚椎(首の骨)の間にあるクッションの役割をする椎間板が、長年の負担や加齢などによって傷んで水分を失い、クッションの役割を失ってしまうことです。
この傷んだ椎間板が受けた刺激は、肩甲骨の回りにある筋肉に神経を通って伝わり、その刺激で筋肉が緊張して肩こりを生じさせます。
もし、首に椎間板ヘルニアが生じて神経根(脊髄神経から枝のよう分かれている神経)を圧迫した場合は、手先のしびれの症状も現れます。
肩こりだけでなく、手先、指先のしびれも感じた時は、整形外科などの専門のお医師さんに相談されることをおすすめします。
精神的ストレスによる原因

几帳面で完璧主義な性格の人は、こだわりが強く何かにつけて繊細で、些細なことにも敏感な傾向があるので精神的ストレスも多くなります。
このようにストレスを強く感じる性格の人はタイプAとも呼ばれていますが、これって日本人には結構多い性格ではないでしょうか?
タイプAの傾向
- ☑負けず嫌いで競争心が強い
- ☑成功欲や出世欲が強い
- ☑何ごとにも熱心である
- ☑短気でせっかちである
- ☑常に時間に追われる感覚がある
あなたはこのタイプAにあてはまりますか?
精神的ストレスは首と肩の回りの筋肉を緊張させ、その結果、肩こりが生じます。
積み重なる精神ストレスは筋肉の緊張を生み、肩こりはだんだんと激しくなって、それがまたストレスとなって筋肉の緊張を生み、それがさらに精神的緊張を強めていくという痛みの悪循環=痛みのフィードバックを形成します。
そして、精神的ストレスと肉体的疲労が重なった時には、今度は肩こりから頭痛へと発展していくことがあります。
この原因から考えると、自己主張がわりとはっきりしている欧米人に比べて、日本人のほうが性格的に精神的ストレスが多いと思いませんか?
もちろん体型的、骨格的な要因も大きいとは思いますが、この精神的ストレスの多さは、日本人に肩こりが多い原因のひとつではないでしょうか?
頭痛と吐き気を伴う肩こりに注意

吐き気を伴う肩こりは、以下のような脳の疾患が原因となっている場合もあります。
- くも膜下出血:くも膜と脳の間の血管が破裂する病気で、急激な頭痛と吐き気が生じます
- 脳出血:脳の中にある血管が破裂する病気で、出血が少ない場合には頭痛や吐き気が生じます
- 小脳梗塞:小脳を通る血管が詰まる病気で、頭痛・めまい・吐き気・身体のふらつきを生じます
上記のような症状があり、横になっても症状が改善しないときは医療機関での診察を受けることをおすすめします。
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肩こりのストレッチ解消法
病的な原因でない、慢性的な肩こりの解消法には、「肩甲骨はがし法」と呼ばれる大変効果的なストレッチがあります。
「肩甲骨」とは、肩と腕をつなぐ骨のことで、肩こりとも密接に関係しています。
つまり、肩甲骨の動きが悪いと肩の動きが悪くなり、姿勢も悪くなってしまいがちです。
その結果、肩甲骨の周りにある筋肉(僧帽筋など)も緊張して、血行不良になり「肩こり筋」と化してしまうのです。
この「肩こり筋」の解消法には、肩甲骨の動きに柔軟性をつけることが一番です大切なのです!
先ずは、肩甲骨の柔軟性チェックから始めましょう・・・
慢性的な肩こりの症状に悩まされている方は、是非この動画を見てお試しください!
まとめ
肩こりは、首が細くなで肩の女性に多い傾向があります。
通常の肩こりの改善には、ストレッチが大変効果的です。
精神的ストレスも肩こりの原因になり、放っておくと頭痛に発展することがあります。
頭痛と吐き気を伴う場合は脳の疾患の可能性もありますので、注意が必要です。
症状の改善が見られない場合や症状が悪化する場合は、危険な病気の可能性がありますので医師へご相談をおすすめします。
*肩や背中の痛み、頭痛の症状に関しては次の記事もご参考ください!
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