【ウェルシュ菌食中毒】症状と予防対策は?カレーなどの加熱食品に注意!

仕出し弁当

「ウェルシュ菌」って細菌の名前を聞いたことがあるでしょうか?

2016年4月に愛知県岡崎市の食品会社の仕出し弁当を食べた、名古屋にある事業所の70人もの社員が、腹痛などを訴える集団食中毒事件が発生しました。

この「ウェルシュ菌」いう名前を、日常であんまり聞くことはないと思いますが、今回は、ウェルシュ菌に感染した時の食中毒症状やその治療法、食中毒を起こしやすい原因食品予防対策などについてまとめてみました。

 

ウェルシュ菌とは

ウェルシュ菌

 

ウェルシュ菌は、ヒトや動物の大腸内に生息する常在菌で、水分を含む土壌の中にも生息しています。

 

常在菌なので、大腸菌と同様に健康な人の便の中からも検出されます。

 

また、家畜の糞便からも検出され、特に牛や豚や鳥などの食肉からも検出されることが多くあります。

 

ウェルシュ菌は極悪菌

ビフィズス菌が、ヒトの身体にプラスに働く善玉菌だということは、多くの方がご存知だと思いますが、それに対して、大腸菌悪玉菌ならば、ウェルシュ菌極悪菌だといわれます。

 

つまり、ウェルシュ菌はヒトの体や腸内フローラにとってプラスの要素が全くないということです。

食中毒の原因となる大腸菌でも腸内フローラのバランスの中で、場合によってはプラスに働くことがあります。

 

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ウェルシュ菌の特徴

次に、この細菌の大きな特徴は熱に強くボツリヌス菌と同様に嫌気性(酸素を嫌う性質)ことです。

 

通常、加工された食肉などの中心部は無酸素の状態になり、ウェルシュ菌が繁殖するために絶好の条件になります。

 

そして、加熱した食品が冷めて、発育に適した温度まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。

また、ウエルシュ菌の発育に適した温度は43~47℃と他の細菌よりも高い性質があります。

 

ウェルシュ菌の毒素

加熱食品の中で増殖したウェルシュ菌を食べてしまうと、さらに小腸内で菌が増殖します。

 

そして、菌が芽胞型に移行する時に、エンテロトキシンという毒素を生産して、その作用で腹痛や下痢などの症状を起こします。

 

ウェルシュ菌は、食品工場や給食施設などの大量に食品を生産する施設で発生しやすく、大規模な食中毒を起こす可能性が高い細菌です。

このような傾向から、ウェルシュ菌による食中毒は、別名で「給食病」「カフェテリア病」とも呼ばれています。

 

原因食品

原因食品

 

ウェルシュ菌の食中毒の原因となる食品の第一の特徴は、食肉または魚介類を使った加熱調理品です。

また、食品工場などで大量に加熱調理された後、室温状態で放置されている食品です。

 

特に大量に加熱調理される次のような煮物系食品が原因になります。

  • カレー
  • シチュー
  • スープ
  • めんつゆ
  • 煮込みハンバーグなど

 

上記のような食品は食品工場などで大量に調理され、常温でしばらく放置されていることが多く、また、加熱調理しているので安心だと思い込んでしまうことが、食中毒を発生させる原因を広げる結果になってしまいます。

 

食中毒の症状

食中毒

 

ウェルシュ菌による食中毒の症状は、通常の食中毒の中では軽症な部類に入ります。

 

潜伏時間が約6~18時間あり、多くの場合は食後(感染後)12時間以内に次のような症状を発症します。

  • 腹痛
  • 下痢
  • 腹部膨満感(下腹部の張り)

 

上記の腹痛と下痢がメインの症状ですが、他の食中毒によく見られる嘔吐や発熱の症状はありません。

そして、通常1〜2日で中毒症状から回復します。

 

但し、ウエルシュ菌が産生する溶血毒のために敗血症を起こし、急死した患者さんのケースの報告もあるので、以下のような全身性の症状がある場合は要注意です。

  • 異常な体温上昇または低下
  • 悪寒や脱力
  • 心拍数の増加
  • 呼吸数の増加
  • 血圧の低下(敗血性ショック)

 

また、以下のような条件の方は、敗血症を起こすリスクが高いといわれています。

  • 新生児
  • 35歳以上
  • 妊婦
  • 糖尿病や肝硬変などの慢性疾患の方
  • がん患者
  • ステロイド薬や化学療法薬を使用

 

敗血症の症状が見られた場合は、直ちに抗生物質を使って治療する必要があります。

低血圧などの敗血症性ショック症状がある場合は、集中治療室(ICU)での治療が必要です。

 

診断・治療と予防対策

ウェルシュ菌食中毒は、食中毒患者の糞便や原因食品からウエルシュ菌を高頻度で分離検出することで診断します。

 

エンテロトキシンの検査を行うには、市販試薬やPCR法があります。

 

具体的な診断基準としては、患者の糞便や原因食品から、100万〜1億個/gのウェルシュ菌が検出され、それらがエンテロトキシンを生産することが判明した時点で、ウエルシュ菌食中毒患者としての診断が下ります。

 

治療と予防対策

食中毒の治療は腹痛薬などの対症療法がメインですが、ウェルシュ菌は細菌性食中毒のなかでも軽症の部類に入るので、特別な治療を行なわなくても通常の場合は1~2日で自然回復します。

 

食中毒は、ウェルシュ菌が1 g当たり10万個以上に増殖 した食品を食べることで発生するので、予防として最重要なことは「食品内でのウェルシュ菌の増殖防止」である。

 

食中毒の予防対策としては、以下のことに留意しましょう。

  1. 食品会社などで加熱食品を冷ますときは、常温ではなく、ハンバーグなどの食肉を小分けして急速に冷却し、低温で保存する。
  2. 弁当などの大量生産された食品を食べるときは電子レンジなどを使って充分に再加熱する。
  3. 前日に調理され室温放置された食品は食べないようにする。

 

まとめ

食品工場などで大量に加熱調理された後、室温状態で放置されている食品はウェルシュ菌の温床になってる可能性があるので注意が必要です。

ウェルシュ菌の食中毒の症状は比較的に軽いので自然治癒することが多くあります。

仕出し弁当や煮込み食品(肉類やスープ類)を食べるときには、十分加熱して食べるようにしましょう。

 

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