【溶連菌感染症】大人にも発疹症状?潜伏期間と治療薬は?

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「溶連菌感染症」は、子どもがかかる病気というイメージがありますが、家族内での感染も多く、最近では大人の感染も多いといわれています。

2015年度の溶連菌感染者数は、1999年以来、過去最多となっており、2016年の感染者数は昨年以上になるのではともいわれています。

大人が溶連菌に感染した場合は、仕事にも影響が出てきますので注意が必要ですね。

 

そこで今回は、溶連菌感染症の大人の症状潜伏期間治療薬予防法、そして、注意しなければならない「人食いバクテリア」と呼ばれる劇症型溶血性レンサ球菌感染症(劇症型溶連菌感染症)についてまとめてみました。

 

溶連菌感染症とは?

溶連菌

 

「溶連菌感染症」とは、一般的に、レンサ球菌属の中でも特に感染症を引き起こしやすい、「化膿レンサ球菌」による感染症のことをいいます。

 

「化膿レンサ球菌」は、別名「A群レンサ球菌」とも呼ばれています。

レンサ球菌は、A群、B群、C群、G群に分類されますが、ほとんどの場合は「A群レンサ球菌」が感染症の原因となります。

つまり、「溶連菌感染症」=「化膿レンサ球菌」=「A群レンサ球菌」という訳ですね。

 

「溶連菌」という名前自体は、一般的にはあまり知られていませんが、命を奪う伝染病として患者が隔離されていた時代もあります。

 

一般的に、溶連菌感染症は5~10歳くらいの子供がかかりやすいといわれています。

しかし、実際はどんな年齢でも感染する可能性があります。

 

感染すると、主にのどや皮膚に症状が出ます。

3歳児以下の乳幼児が感染した場合は、軽い症状ですむことが多いといわれます。

 

また、大人が感染した場合、風邪と似た症状なので溶連菌感染症だとは気づかないことも多くあります。

 

この感染症は、冬季春から初夏の時期にかけて感染者数が増える傾向があります。

 

日本での溶連菌感染者数は、2015年は約40万人で過去最多を記録しました。

2016年も同様に大流行の兆しがあるといわれていますので感染には注意が必要です。

 

溶連菌感染症の症状と潜伏期間

溶連菌は、グラム陽性菌で、風邪やインフルエンザ、肺炎などの病気と同様に、おもに「のど」から感染します

潜伏期間は、2~5日間程度だといわれています。

 

そして、以下のような炎症や皮膚感染の原因となって「のど」や「皮膚」のさまざまな症状を引き起こします。

  • 上気道炎:鼻からのどにかけて炎症を起こす
  • 化膿性皮膚感染症:細菌による皮膚感染症で皮膚の下にウミがたまる

 

粘膜への感染

溶連菌が、のどや鼻の粘膜に感染した場合は、

  • 咽頭炎(いんとうえん)
  • 扁桃炎(へんとうえん)
  • 猩紅熱(しょうこうねつ=紅い発疹を伴う熱)
  • 副鼻腔炎(ふくびくうえん)

などを引き起こします。

猩紅熱は、昔の時代は命にかかわる病気で、伝染防止のために患者を隔離していました。

 

皮膚への感染

また、皮膚に感染すると、

  • 伝染性膿痂疹(のうかしん=黄色いかさぶたを伴ったただれ)
  • 蜂窩織炎(ほうかしきえん=皮下組織での化膿性感染症)
  • 丹毒(たんどく=真皮レベルでの皮膚細菌感染症)などを起こしてしまいます。

 

蜂窩織炎は、顔や手足、特にふくらはぎ周辺に発症しやすいといわれ、糖尿病やエイズ患者の人も発症しやすいといわれています。

丹毒は、免疫力の弱い人や高齢者に多く発症します。

 

典型的な症状

溶連菌感染症になった時の典型的な自覚症状としては、

  • のどの痛み
  • 発熱(38℃以上)
  • 全身の倦怠感
  • 嘔吐
  • リンパ節(首筋)の腫れ
  • 手足の発疹
  • 皮膚のかゆみ
  • イチゴ舌(舌にできる発疹)などがあります。

 

そして、上記の症状が治まった後に、手足の皮がむけることがあります。

 

その他の症状

また、他に以下の症状を引き起こしてしまうことがあります。

  • 中耳炎
  • 肺炎
  • 化膿性関節炎
  • 骨髄炎
  • 髄膜炎
  • 菌血症
  • トキシンショック症候群

 

一般的に溶連菌感染症の典型的な症状は、5~10歳までの子どもに現れることが多く、3歳以下の子どもや免疫力の高い大人が発症した時には典型的な症状が見られないことも多くあります。

 

では次に、溶連菌の感染経路について説明しますね。

 

感染経路

溶連菌は、保菌者(発症していない場合も含む)からの咳やくしゃみからの飛沫(ひまつ)または、直接的な接触がおもな感染経路となりますが、間接的な接触でもうつる可能性があります。

 

  • 飛沫感染:せきやくしゃみで飛び散る飛沫に含まれる細菌が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染
  • 接触感染:感染者との直接的な接触によって感染
  • 経口感染:感染者の細菌を含んだ唾液やたん、鼻水などが付着している食器やタオルなどから感染

 

感染者(発症者)に対しては、抗生剤による治療が開始されてから48時間以上経過するまでは、学校などでの集団生活を避けることが好ましいとされています。

しかし、家庭内、特に兄弟間の感染率は25%といわれ、家族間での感染を避けるのはなかなか難しいのが現実です。

 

検査法

溶連菌検査法

 

溶連菌に感染しているかどうかを検査するためには、次のような3つの方法があります。

  • A群溶血性連鎖球菌迅速診断キット:数分間で結果が分かります
  • 咽頭培養検査:結果が分かるまで数日かかりますが、溶連菌以外の菌も発見できます
  • 血液検査:数日かかりますが、溶連菌感染症以外の病気も発見できます

 

風邪と似た症状があり、身近な人に溶連菌感染症の人がいる場合は早めに医療機関での検査をされることをおすすめします。

 

治療法

溶連菌感染症の治療には、ペニシリン系セフェム系抗生剤の投与が通常使用されています。

この感染症の治療法と合併症の予防方法はきちんと確立されていますので、医師の指示に従って治療を受ければ、特に大きな問題になることはありません。

 

症状が風邪と似ているので自然治癒に任せて放置してしまうと、学校や家族、職場などで感染を広めることになるので症状が軽くても注意が必要です。

 

実際、溶連菌感染症を繰り返す大人の数は多いといわれています。

 

投与期間

  • ペニシリン系10日間の連続投与を推奨
  • セフェム系5日間の連続投与を推奨

 

一般的に上記の抗菌薬(抗生剤)を飲み始めて1~2日ほどたつと、のどの痛みや熱の症状は治まるといわれています。

 

しかし、症状が軽くなったといって抗生物質の服用を自己判断で止めてしまった場合、リウマチ熱急性糸球体腎炎などの合併症を起こしてしまう危険性があります。

 

大切なことは医師から指示された服用期間をキチンと守ることです。

 

予防法

予防法

 

溶連菌は、おもに飛沫感染接触感染によって人から人へうつるので、身近な人の中で発症した人がいる場合は、近くに行くことを避け、必ずうがいと手洗いをするようにしましょう。

 

ただし、のどの症状が無く、傷口から菌が入った場合の皮膚感染症の場合は、飛沫感染や接触感染の心配はありません。

 

溶連菌感染症を発症した場合は、抗生剤の治療を受けて48時間以上経過するか、症状が改善するまでは学校などの集団生活の場に行くのを避けた方が良いでしょう。

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症に注意!

劇症型溶連菌

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(劇症型溶連菌感染症)とは、致死率30%で別名、「人食いバクテリア」と呼ばれている恐ろしい病気です。

 

国立感染症研究所の統計よると、2015年の感染者数は431人と過去最多に上り、30歳以上の大人の発症件数が多いといわれています。

また、特に高齢者や糖尿病などの生活習慣病にかかっている人は注意が必要だといわれています。

 

劇症型の特徴は、菌が血液の流れの中に入ってから数時間~数十時間の間に症状が急激に進行することです。

 

重症の敗血症臓器感染を起こすこともあります。

感染を起こした手や足が腐って、感染部位を切断する手術が必要になることもあります。

溶連菌が劇症化してしまう詳しい理由は現在のところ不明です。

 

手や足にできた傷口や血豆が短時間で著しく化膿、発熱した場合は、直ちに大学病院などの治療設備の整った医療機関へ行って診察を受けるようにしてください。

 

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